寒中お見舞い申し上げます
2013年1月
弁護士 大 脇 美 保 :
法律110番弁護士 久 米 弘 子 :
「世界一幸福な国」デンマークへの旅弁護士 塩 見 卓 也 :
「有期雇用労働者への差別禁止」が法改正で実現しました弁護士 中 島 晃 :
巻 頭 言 年頭にあたって―原発ゼロの実現をめざして弁護士 中 村 和 雄 :
労働事件紹介弁護士 諸 富 健 :
とても危険な「集団的自衛権」弁護士 吉 田 容 子 :
平等は後退する−仕事を辞めないでください!弁護士 分 部 り か :
高齢者の住まいについて事務局一同
法律110番
弁護士 大 脇 美 保
Q 父が認知症になってお金についての判断が到底できなくなってるので、「成年後見制度」を利用したいのですが、正確にはどのような制度なのでしょうか?
A 「成年後見制度」とは、精神上の障害によって判断能力が衰えた方のための援助制度を言います。この制度では、家庭裁判所が、判断能力は不十分な方には「補助」を、判断能力が著しく不十分な方には「保佐」を、判断能力を欠いた方には「後見」を開始し、その程度に従った援助、保護をするものです。成年後見開始の申立てができるのは、本人、配偶者、4親等内の親族などの他は、検察官と区市町村長です。
成年後見人は、家庭裁判所が諸事情を考慮して、適当な人を選任します。民法には、未成年者、破産者などの欠格事由が定められており、これに該当していない人は誰でも後見人になることが可能です。申立ての段階で候補者をあげることもできますが、家庭裁判所は、必ずしもこれに拘束されません。七割近くは、配偶者や子などの親族が選任されていますが、親族間に争いがある場合や、専門的知識を要する場合などには、弁護士等の専門家が選任されます。但し、専門家が後見人に選任された場合には、家庭裁判所が定めた報酬を支払わなければなりません。
成年後見人の主な業務は、本人の財産管理と身上監護です。財産管理とは、本人にかわって、預金通帳や不動産権利証などの重要書類を預かり管理します。年金などを管理し、入院費など必要な資金を口座からおろすことも業務に含まれます。身上監護とは、本人の生活を立ちいかせるようにするための様々な法律行為を指し、介護保険の申請、介護サービスの契約、施設入所の契約などが含まれます。
弁護士に後見人を依頼したい場合だけでなく、申立手続き自体がよくわからない場合などについても、とりあえず当事務所にご相談ください。
「世界一幸福な国」デンマークへの旅
弁護士 久 米 弘 子
昨年9月、女性団体のツアーでデンマークへ行ってきました。「世界一幸福な国」というデンマークを一度自分で見てみたい、と思ったのです。
デンマークは九州より少し広い国土に約535万人が暮らす、北欧の小さな王国です。国土の多くは氷河の置き土産といわれる岩くず(氷堆積)から出来ており、現在でも地表から20pも掘ると砂利や砂の層とのこと。この国の人々は、防風林を作り土壌を改良する努力を積み重ねて、ヒースの原野を農地に変えました。現在、デンマークは、肉類、酪農製品を世界に供給する農業国です。
エネルギー政策 リサイクルセンターや廃棄物処理場、バイオガスのプラントを見学しました。
デンマークはもともと国内エネルギー消費量の90%以上を輸入原油に依存していました。1976年、エネルギー源を分散し国外の産油国への依存度を低減することを目的とした「エネルギー計画」を立てました。この計画には、原子力発電所の建設も入っていましたが、その後、大議論を経て中止されました。現在、デンマークでは再生可能エネルギーとして風力発電(いたるところに風車があります)とバイオガス(家畜の糞尿、産業有機廃棄物、家庭有機廃棄物などが原料)の利用が広く行われています。
各家庭には分別用のゴミ箱が設置されており、分別と処理の費用は税金に含まれています。自家用車のうしろに台車を接続してゴミをリサイクルセンターに運んでいるのを数多く見かけました。ゴミはとても細かく分別されてできる限りリサイクルされています。「ゴミは宝の山」という説明が印象的でした。
医療・福祉と教育 老人ホームや学校も見学しました。デンマークでは誕生から亡くなるまで、全ての医療・福祉と教育が無料です(これらを維持するためにユーロ圏に参加しなかったそうです)。国民は子どもの頃から税金の使途を含めて政治に関心を持つ教育を受け、若くから政治に参加しています。閣僚はみんな若いそうです。
日本との違い デンマークで一番感じたのは国のあり方が国民の合意と信頼にもとづいて成り立っているということです。国教であるキリスト教ルーテル教会の教えが国政の基本にあり、国民は自分たちの税金が国民のために使用されることを知っているので、高い税負担(消費税25%、税金は全部で所得の半分位になる)を了解しています。
ふりかえって日本の実情をみると、残念ながら、税金の使途に対する信頼がないために、増税反対が多くなります。デンマークの国民総番号制は税徴収と福祉や教育・医療を無料でうける権利者を把握するためのものですが、日本では危険な管理システムになるでしょう。国教を教育の基本としていることも、日本では思想統制に利用されるとして反対されるでしょう。国のあり方がこれほどちがうと、デンマークの施策や制度をいいとこどりするだけでは日本の国民を幸福にすることはできそうにありません。日本という国のあり方については、私たち日本の国民がもっとよい国にするよう自分たちで考え行動しなければ、と思ったことでした。
「有期雇用労働者への差別禁止」が法改正で実現しました
弁護士 塩 見 卓 也
2008年9月以降に、いわゆる「リーマン・ショック」と呼ばれる大不況があり、そのあおりで沢山の派遣労働者や有期雇用労働者がクビにされ、その年の年末には「年越し派遣村」が話題になったことについては、ご記憶の方も多いと思います。
この時期の社会現象は、非正規で働く人達の雇用が非常に不安定であることが社会一般に可視化された点で大きな意味を持ちました。これらをきっかけとして、労働組合や弁護士、学者を中心に、非正規雇用労働者の保護を図るための法改正を求める運動が盛り上がりを見せました。そして、政府もそのような状況を放置しておくわけにはいかないとして、労働者派遣法や有期雇用法制について法改正を検討するようになりました。
これらの法改正議論は、使用者団体や労働者派遣事業者団体から猛反発を受け、リーマン・ショックから3年経ってもなかなか前に進みませんでした。そして昨年、民自公3党合意によって、労働者側が強く求めていた内容の相当部分が骨抜きにされ、改正労働者派遣法と改正労働契約法が成立することになりました。
骨抜きにされたとしても、もともと労働者保護のために始まった議論に基づく法改正なので、わずかながら前進があります。例えば、違法状態で派遣されていた人の場合は、派遣先の事業者がその派遣労働者を直接雇用する申込をしたものとみなす規定が新設されました。この規定によって、違法派遣が行われた場合に、派遣元のみならず、派遣先事業者にも雇用責任を取ってもらうことが可能になります。もっとも、この規定は施行が平成27年10月1日なので、すぐに活用できるわけではありません。
今回の法改正で、すぐに使えるものとして注目されるのは、「期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止」という規定の新設です。この規定は今年の4月1日から施行されます。
「契約社員」という名称で、雇用期間に定めがあり、「正社員」とは異なる立場で働いているけど、やっている仕事は正社員と同じという方は、かなりの数おられると思います。やっている仕事が同じなのに、給料や福利厚生、教育訓練などの待遇が正社員より大きく劣るものにされているという方も、その中に相当おられると思います。今回の法改正で、そのような正社員との格差が、「有期雇用」であることを理由にされている不合理な差別であると認められる場合は、使用者にその是正を求め、差別された差額分について損害賠償請求することも可能となったのです。厚生労働省も、「通勤手当、食堂の利用、安全管理などについて労働条件を相違させること」について、特に不合理な差別にあたるといえると述べています。
ご自身やご家族で、「契約社員だから」「パートだから」差別されていると思い当たることのある方、ぜひ一度ご相談下さい。
巻 頭 言 年頭にあたって―原発ゼロの実現をめざして
弁護士 中 島 晃
寒中お見舞い申し上げます。皆様には、お健やかに新しい年をお迎えのことと存じます。
さて、昨年12月の衆議院選挙は、第3極というなんだかよくわからない政党がたくさんできましたが、ふたを開けてみれば、結局自民党が大勝して、また古い体質の政治に逆戻りすることになりました。
しかし、小選挙区での自民党の得票率は43%にとどまっています。それにもかかわらず、自民党の議席は79%を占めるというのは、小選挙区制がいかに民意をゆがめているのか、その弊害もあらわになりました。
投票日翌日の朝日新聞夕刊コラム欄には、「気がつけば衆院の9割は改憲派」「隅々に張り巡らされた古いパイプが再稼働」「廃村寸前の原子力ムラ息吹き返す」と書かれています。
集団自衛権の行使を認め、憲法に「国防軍」の明記をめざす自民党の安倍新政権のもとで、平和を望む国民の願いに逆行して、日本が危険な方向に大きく舵を切ろうとする動きが強まるのではないかと懸念されます。
こうした中で、今改めて、憲法9条のもっている世界史的意義を再確認して、憲法の改悪の動きを押しとどめ、平和憲法を守る取り組みを強めていくことが求められてると考えます。
一方、昨年11月末には、千名を超える原告が、大飯原発の差し止めを求める脱原発訴訟を京都地裁に提起しました。この訴訟の弁護団には、当事務所の弁護士がほぼ全員参加しており、脱原発の実現に向けて取り組みを強めていくことになりました。放射性廃棄物は、これから何百年、いや何万年もの間、地球を汚染し続け、人類の生存をおびやかすものです。放射性廃棄物という恐るべき有毒物質の排出を続ける原発を一刻も早くやめさせ、再生可能なエネルギーへの転換をはかることなしに、人類の未来に希望を持つことはできません。
私たちの子供たちや孫たちのために、原発ゼロの実現をめざすことは喫緊の課題です。
原発訴訟はいよいよ今年から始まります。これから2次訴訟、3次訴訟の提起も予定しています。今からでも原発訴訟に参加できます。原発ゼロの実現に向けて、ともに力を合わせようではありませんか。
労働事件紹介
弁護士 中 村 和 雄
◆はじめに
わが国では、非正規労働者が年々増加しており、すでに労働者の3分の1を超えています。こうした中で、ダブルワーカーやトリプルワーカーが増大しています。本事案は、運送会社に勤務するドライバー社員が減収の穴埋めのためにアルバイト就労しようと4次にわたって申請したところ、会社がいずれも不許可としたため、会社に対して損害賠償を求めた事案です。
◆京都地裁判決の内容
判決は、被告の第1次および第2次申請(平日の勤務時間前後のアルバイト)に対する拒否は合理的であったが、第3次および第4次申請(休日のアルバイト)に対しする拒否は不当であり違法だとしました。
第1次および第2次申請については、それを認めると「働き過ぎ」状態となり、会社の拒否は合理的だとしました。一方、第3次および第4次申請については、これを認めても「働き過ぎ」といえる状態にはならないとしました。被告の秘密漏洩の危険性の主張については「原告の申請にかかる業務内容は構内作業であって、担当職種が異なるのであり、被告の企業秘密が就労先業者に漏洩するとは具体的に想定しがたい。」としました。判決は、「被告が行った不許可は、原告のアルバイト就労を不当かつ執拗に妨げる対応といわざるを得ない」とし、一連の経過に照らし、被告の不法行為を認め、原告に対し慰謝料30万円の支払を命じました。
なお12月28日に大阪高裁で控訴審の判決があり、京都地裁判決の内容が維持されました。
◆働くことでお悩みの方は、ぜひ当事務所にご相談ください。
とても危険な「集団的自衛権」
弁護士 諸 富 健
最近、マスコミ報道で「集団的自衛権」という言葉をよく耳にするようになりました。衆議院選挙で集団的自衛権の行使を可能にすることを公約に掲げる政党が現れましたが、中でも自民党は、集団的自衛権の行使を可能にする「国家安全保障基本法」を用意して、その実現を目論んでいます。
集団的自衛権とは、他の国が武力攻撃を受けたときに、その国と一緒になって実力をもって阻止する権利のことを言います。日本の場合、他の国として想定されるのはアメリカです。つまり、アメリカが武力攻撃を受ければ、日本がアメリカと一緒にその武力攻撃に立ち向かうことになります。「集団的自衛権の行使を可能にする」=「アメリカと一緒に戦争する」と言っても過言ではありません。
これまでの政府の解釈は、「日本は、集団的自衛権を有しているが、行使することは許されない。」というものでした。なぜなら、憲法9条があるからです。憲法9条の下では、日本を防衛するため必要最小限度の範囲でしか自衛権を行使することができません。日本が攻撃されていないのに外国を守るために自衛権を行使することは、憲法9条の範囲を超えることになるのです。
したがって、これまでは、アメリカがアフガニスタンやイラクで武力攻撃を受けても、日本がアメリカと一緒に武力を行使することはありませんでした。その結果、日本は、第二次世界大戦終結以降現在に至るまで、戦争で一人も殺さず、また一人も殺されずにすんできたのです。これは、まさに憲法9条のおかげだと言えます。
ところが、集団的自衛権の行使が可能になれば、人を殺し、殺されることにつながります。憲法9条の文言を変えるに等しいことと言えます。こんなことが許されていいのでしょうか。私は、大変恐ろしいことだと思います。
日本は、第二次世界大戦において、アジアの国々を侵略して2000万人以上の犠牲者を生み出しました。一方、国内では、二度の原爆投下や空襲被害、沖縄戦などで、数百万人もの方が亡くなりました。こうした悲惨な経験を踏まえて、日本国憲法では、政府の過ちによって二度と戦争の惨禍が起こらないようにすることを決意し、9条で戦争放棄を定めたのです。
日本は、憲法9条があることによって、国際社会の信頼を勝ち得てきました。憲法9条は日本の宝です。集団的自衛権の行使を可能にすることは、国際社会の信頼を失い、日本の宝を投げ捨てることになるのです。
今までどおり、憲法9条を守り維持していくのか、それとも憲法9条を捨ててアメリカと一緒に戦争できる国に変貌を遂げるのか、日本は今、岐路に立っていると言えるでしょう。
平等は後退する−仕事を辞めないでください!
弁護士 吉 田 容 子
1、2012年12月、気になる報告書が3本、発表されました。ごく簡単に内容を紹介します(詳細は各報告書をご参照ください)。
ア、厚生労働省の「21世紀出生児縦断調査結果」(約4万4千人に調査用紙を配布し約3万9千人が回答、うち第1子とされるのは約1万8千人)。2010年5月に第1子を出産した女性の54.1%が出産前後に仕事を辞め、このうちフルタイム勤務だった人の35.3%が「仕事を続けたかったが育児との両立が難しい」を理由に挙げ、また10.5%で「解雇、退職勧奨」が行われていた。
イ、内閣府の「男女共同参画社会に関する世論調査結果」(全国の成人男女5000人を対象に個別面接方式で実施、有効回収率は約60%)。「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきだ」という考え方について、賛成が約52%、反対は約45%だった。この質問を始めた1992年から前回調査の2009年まで一貫して賛成が減り反対が増える傾向が続いていたが、今回初めて反転。賛成が反対を上回るのは1997年の調査以来15年ぶり。
ウ、経済協力開発機構(OECD)の年次報告書。教育や労働条件などについて各国の男女間格差を比較しており、育児期に当たる25〜44歳のフルタイム労働者の給与(主に2008年)は、日本では子どもがいる女性の場合、給与の中央値が男性よりも61%低く、データのある30カ国中、男女間の差が最大である(30カ国の平均は22%)。
2、さらに、皆様ご承知の選挙結果です。両性の平等のために尽力してきた議員が次々と落選し、平等など大嫌いという議員(女性も男性も)は殆どが残りました。本日(12月19日)現在内閣人事は発表されていませんが、自民党影の内閣の男女共同参画担当大臣はあのY議員、法務大臣はあのI議員、いずれも平等大嫌い議員です※。そして、お手元にこのニュースが届く頃(2013年1月)には、男女共同参画会議の委員の交代があり、新大臣のもとで委員が任命され、その委員たちのもとで第4次男女共同参画基本計画が作成されます。第2次より少しましになった第3次。それが第4次でまた後退するはほぼ確実だと思います。
3、このような動きの中で、両性の平等はますます危うくなっていくでしょう。厳しいだけでなく差別的な労働条件に絶望し、仕事をやめて婚姻し、性別役割分業にはまり込んでしまう女性たちが増えることに、非常な危機感を抱いています(前述の内閣府世論調査結果は若者の就職難や女性にとり仕事と育児の両立が難しい環境にあることなどが背景にある。との指摘があります)。一度この環境にはまり込むと、そこから抜け出すことは極めて困難です。新卒就職も厳しいですが、再就職の厳しさはそれを上回ります。役割分業を事実上強制される男性にとっても、自由な選択が困難になります。
私は多くの離婚事件を扱っていますが、つくづく思うのは、弁護士がサポートできるのは婚姻解消時(離婚時)というただ一時のことだけだということです。婚姻前と婚姻中に生じた様々な差別(とりわけ経済的格差)の是正は絶対に無理であり、この差別・格差は女性に生涯ついて回ります。とにかく仕事を辞めないでください、それを強く申し上げたいと思います。
(※)12月26日に安倍政権が発足し、それぞれ別の議員が就任しましたが(I議員は別の大臣に)安心できません。しかも文部科学大臣はこれまた要注意。
高齢者の住まいについて
弁護士 分 部 り か
日本が高齢化社会であることに誰も異存はないと思います。でも、日本が高齢者にとって住みやすい国であるかについては相当議論があるところだと思います。
今の日本で、高齢者の住まいにはどのようなものが用意されているか、みなさんご存じでしょうか。すぐに思い浮かべるのが、有料老人ホームでしょうか。高い一時金を払わなければならないというイメージをお持ちかもしれません。 その他の施設としては、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、認知症高齢者グループホーム、軽費老人ホーム、養護老人ホームがあります。これらの、個々の施設の具体的な情報については厚生労働省が情報公開を行っています。(http://www.kaigokensaku.jp/)
施設以外の住まいとしては、かつては高齢者円滑入居賃貸住宅(高円賃)、高齢者専用賃貸住宅(高専賃)、高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)がありました。これらは改正前の高齢者住まい法という法律に基づき、民間の土地所有者や地方住宅供給公社等が設置した賃貸住宅です。しかし、これらの住宅は法改正により廃止され、サービス付き高齢者向け住宅の登録制度が創設されています。
法律で、一定の基準を満たした場合に、サービス付き高齢者向け住宅として登録され、登録された住宅について情報提供サービスがインターネットで開始されています。(http://www.satsuki-jutaku.jp/)
これまで高齢者の住まいに関してトラブルが一番多かったのは、契約、解約に関するもので、家賃や入居一時金等の名目で徴収される前払い金に関するものでした。
高齢者住まい法で新たに規定されることになったサービス付き高齢者住宅では、家賃以外に前払い金として受領可能な金銭が明確に規定されています。また平成24年の老人福祉法の改正で、有料老人ホームの一時入居金返還ルールが明確になりました。もっとも、経過措置でこのルールが義務づけられていないホームもあり、わかりづらいものとなっていますし、この規定が必ずしも消費者のためになっていないとの議論があるところです。高い前払い金を払う前に、一度契約書を弁護士に読んでもらって詳しく説明してもらうのも、将来の紛争を防ぐという予防の観点から有益かもしれません。